2026年3月 山名 群さん
会員紹介シリーズ 第8弾!

このTHE VOICEの会員紹介シリーズは、今回から入会3年未満の会員にスポットを当てて、リレー形式で取材をさせて頂くことになりました。入会間もない会員の方のご紹介と、思いや忌憚ないご意見をお聞きして行きたいと考えております。その第1回を飾るのは塾生時代に当倶楽部の留学生招待会に参加なさって、その恩返しのために入会された山名群君(Y−254)にご登場して頂きました。
─ このたびは、快く取材にご協力頂き誠にありがとうございました。まず自己紹介をお願い致します。
山名さん: 出身は中国の古都西安です。1992年に留学生として来日し、慶應義塾大学経済学部に入学。塾生時代は旧姓の「李 群(り・ぐん)」を名乗っており、今でも家族や古くからの友人の間では「李ちゃん」「ぐんさん」と呼ばれています。プライベートは今年の4月から社会人になる長女と高校生の長男・次男(双子)の三児の母です。
1997年の卒業後、日本の大手総合商社の総合職として入社しました。その後、米国の大学にて国際関係学の博士号を取得し、外資系大手証券会社にて8年間勤務。続いて日本の大手証券会社に転職して、家族帯同で約2年半のシンガポール駐在も経験しました。金融業界で15年以上キャリアを積んだ後、2019年11月に生産性ガーデン株式会社を設立しました。
2020年5月よりは日本の老舗化粧品会社のCFO・取締役を拝命し、その後はその関連団体である一般社団法人の代表理事を歴任いたしました。2024年6月には日本の上場企業の社外取締役にも就任しました。その他、プロボノで一般社団法人バンクフォースマイルズの理事と日本女性財団国際女性デー実行委員会のメンバーも務めております。
─ 塾生時代の思い出深い出来事は?ゼミ・サークル活動は何を?友人とのエピソードをお聞かせ下さい。
山名さん: 塾生時代の最も大きな出来事は、今年で結婚28年目になる夫との出会いです。
夫は同じ1997年卒の同級生で、学部は商学部でしたが、国際交流系サークル「コスミック」に二人とも所属していました。夫は神戸育ちの関西人で、大学4年生のときに交際を始め、社会人になって1年後、彼の故郷である神戸で結婚式を挙げました。
ゼミは、高梨先生の開発経済学ゼミでした。ゼミの中国パートの仲間とともに現地調査で私の故郷である西安を訪れたこともあります。皆で西安にある国有企業の社長にインタビューをさせていただいたり、調査の合間に自転車で西安市内を走り回りながら観光を楽しんだ時に、自転車のタイヤに穴を開けられたトラブルに遭い、近くの修理屋さんに修理してもらった事もありました。宿泊していた大学構内のとても質素な宿舎は、シャワーがなかったのか、壊れていたのかははっきり覚えていませんが、女子達が洗面器に水とお湯を張り、髪を洗ったことも、今となっては微笑ましい思い出です。ハプニングの連続のゼミ旅行でしたが、緊張と笑いが入り混じるその一つひとつの出来事が、今振り返ると、私と仲間にとってかけがえのない大切な「青春アドベンチャー」です。
─ 当倶楽部との関りをお聞かせください。
山名さん: 塾生時代は、奨学金とアルバイトで生活を支える、決して余裕のある学生生活ではありませんでした。そんな中で、時折ご招待いただいた帝国ホテルでの留学生招待会は、当時の私にとって本当に夢のような、極上の時間でした。毎回とても楽しみにして参加していたことを、今でもよく覚えています。
当時は毎日学業とアルバイトに追われ、飲み会やパーティーに参加する余裕もほとんどない学生生活でしたので、 そのような中で、おしゃれをして帝国ホテルを訪れ、優雅な空間と時間を過ごせることは、質素な日常に差し込む、まさに「非日常の特別な光」だったと感じています。
留学生スピーチコンテストにもチャレンジしました。不思議なことに、何十年経った今では、自分が何を話したのかは全く覚えていませんが、他の留学生たちが語っていたスピーチの場面や心に残る言葉のいくつかは、今でもはっきりと記憶に残っています。このコンテストでは、同じ境遇の留学生が出会い、お互い刺激を受け合い、想いを共有できる特別な交流の場でした。
そして何より心に残っているのは、東京三田倶楽部の先輩方から受けた優しいお心遣いです。異国の地で慣れない学生生活を送っていた当時の私にとって、それは大きな励ましであり、周囲に溶け込もうと努力しながら前に進もうとしていた私の背中を優しく、そして確実に押してくださった存在だったと感謝しております。
─ ご入会年月日は?当俱楽部への入会のきっかけ、その理由をお聞かせください。
山名さん: 2025年9月に入会しました。所属は国際交流委員会です。
近年、留学生招待会にOB・OGとしてお招きいただき、その場でご縁をいただいた何名かの会員の先輩方と交流させていただく中で、東京三田倶楽部のつながりの強さと温かさを身近に感じるようになりました。
また、かつて東京三田倶楽部の会員の方に支えていただいた一人の留学生として、今度は会員という立場で、ささやかでも恩返しができればという思いを抱くようになり、入会を決めました。
─ ご趣味は?や特技を教えてください。
山名さん: 料理は、私にとって日常の中で心を整える“メディテーション”のような存在です。とくに家族のために、毎朝少し手の込んだ朝食を用意することは、大切なルーティンのひとつになっています。今年のお正月には、昨年つくった朝食の写真をまとめて、ささやかなデジタル年賀状も作りました。恐縮ですが、参考までに添付させていただいております。
あと昨年から、ノルウェーの伝統楽器であるハルダンゲル・バイオリンを習い始めました。
ハルダンゲル・バイオリンの音楽教室は恵比寿にあります。この楽器の1番不思議で魅力的なところは、楽譜を使わず、昔からの言い伝えと感覚によって受け継がれてきた伝統民族楽器である点です。楽譜があまり読めない私にとっては、とても相性のよい楽器だと感じています。
サーフスキーは鎌倉の材木座で楽しんでいます。
海という大きな自然と向き合いながら体を動かす時間は、ジムでの運動とはまったく違った心地よさがあります。
体の芯から、そして心の奥までリフレッシュできる――そんな感覚を味わいながら続けています。
─ 座右の銘なり、ご信条は?
山名さん: 5年前に金融業界を離れ、「生産性ガーデン株式会社」を設立した際、私自身がこれまで大切にしてきた価値観を、そのまま企業理念に込めました。人生はガーデニングに似ているという発想と、豊かな人生と組織づくりには「美しさ」「潤い」、そして「付加価値」の三つが欠かせないという考え方です。
「美しさ」とは、外見や見た目だけではなく、感性や意思決定ににじみ出る“美学”のこと。
「潤い」とは、あえて余白をつくることで、心身のゆとりと創造性を育むこと。
「付加価値」とは、与える姿勢をもって、周囲に新たな価値を届けていくことです。
この三つがそろってこそ、生産性とウェルビーイングが両立する人生と組織が実現できると、私は信じています。
─ 素晴らしい理念ですね。留学生としてのご苦労、お仕事と子育ての両立でご苦労されたことも多々あるとは存じますが、「一念岩をも通す」努力は必ず報われることを実践され、起業されたお仕事も順調で、プライベートも充実されている羨ましい限りの人生ですね。
これだけ努力されたのですから当然でしょう。頭が下がります。今後は俱楽部の活動で後輩たちのために少し時間を割いて優しく相談に乗ってあげてください。
長い時間お付き合い頂き、誠にありがとうございました。
編集後記
とても真面目で若々しい聡明なスーパーレディでした。倶楽部ルームで見かけたら気軽にお声掛けしてみてください。これだけのキャリアをお持ちですので、お話しをすると非常に勉強になること間違いなしです。

